ムササビとは?

ムササビ

ネズミ目(齧歯目) リス科 リス亜科 ムササビ属 ムササビ

学名:Petaurista leucogenys

英名:Japanese giant flying squirrel / White-cheecked Flying Squirrel

分布:本州・四国・九州

「ムササビ」の名前はどんな動物か姿は思い浮かばなくとも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ムササビはネズミ目(齧歯目) リス科 リス亜科 ムササビ属に属する動物です。簡単に言うと大きいリス!成獣の頭胴長(とうどうちょう)30~45㎝、尾長(びちょう)30~40㎝、体重 約1㎏です。

ただし、リスと異なる大きな特徴として、飛膜を広げて空を滑空します。これは普通のリスにはできません。

鳥や昆虫のようにはばたいたり、上昇気流に乗って飛ぶとかはできないので、それほど長くは空を移動できないと思うでしょう?ところが、長く滑空した記録はなんと160m。 滑空だけでこんなに長く移動ができるんです。地面を移動しないことにより、捕食者と遭遇することを極力避けることができたのが滑空することの一番のメリットと言えるでしょう。

ムササビは世界で8種類いて、東アジア、南アジア、東南アジアに分布します。日本にいるムササビは日本固有種で、野生では日本しか見る事ができません。頬のところに白い線があるのが特徴です。

飛膜のこと

飛膜? 皮膜の誤字ではないの?

一般的に

飛膜 鳥類を除く陸生脊椎(せきつい)動物にみられる、滑空あるいは飛行のために使われる膜状構造をいい、皮膚のひだとして発達した。(日本大百科全書より)

皮膜  皮膚と粘膜。
    皮のような膜。  (デジタル大辞泉より)

なので、どっちを使ってもいい感じ? 「毛皮も皮の一種だよ」と判断すれば皮膜も使うことができるし、でも、ムササビのものは主に「飛膜」を使っているようです。

手を開いてみてください。指と指の間に気持ち膜がありませんか?それはかつて水かきだった名残です。水辺で暮らす哺乳類、カワウソやビーバー、ラッコには明確に水かきがありそれは皮膜です。ヒトも頑張れば水かきができるかも。トップクラスの水泳選手は水かきができた!という人もいるそうです。(ソース yahoo 知恵袋)

ムササビはこの飛膜の面積を前足の針状軟骨を広げることで大きくしています。

ムササビとモモンガの違い

ムササビもモモンガも夜行性で飛膜を用い滑空します。モモンガもムササビと同じくリスの仲間。どこが違うの?

一番は大きさが違います。ムササビは鼻先から尾の先まで60~85㎝あるのに対し、モモンガは25~34㎝です。モモンガは空飛ぶハンカチと呼ばれる(お上品!)のに対し、ムササビは空飛ぶ座布団(日本家屋!)と呼ばれるほどの違いです。

日本には北海道にいるエゾモモンガ、本州・四国・九州にいる二ホンモモンガ の2種類が生息しています。

二ホンモモンガ

学名:Pteromys momonga

英名:Japanese dwarf flying squirrel /  Japanese lesser flying squirrel

分布:本州・四国・九州

成獣の頭胴長 15~20㎝、尾長(びちょう)10~14㎝、体重 約150~200g

日本固有種。山地から亜高山帯の森林に生息しますが、山地とつながる社寺林にいることもあります。巣に使う樹洞がムササビと競合するので比較的標高が高いところに生息するとありますが、巣穴が小さくとも二ホンモモンガは利用できるので、調査を多くされていないから「山のいきもの」とされているのではないかと私は思っています。イメージ的には「ちょっと田舎の里山ならば、頑張れば見つかる」ようなイメージです。この説が正しいか、一緒に調べてくれる仲間を募集中!

エゾモモンガ

学名:Pteromys volans orii 

英名:Russian flying squirrel / Siberian Flying Squirrel / Eurasian small flying squirre

分布:北海道

成獣の頭胴長 15~18㎝、尾長 10~12㎝、体重 約100~120g

ユーラシア大陸北部に幅広く分布するタイリクモモンガの日本固有種。二ホンモモンガのように山地だけにに住むというイメージではなく、市街地の公園・住宅地近くの防風林や雑木林などといった環境にも生息します。

札幌近郊の公園にも生息し、3月初旬は巣穴下の雪の尿や糞が目印となり、営巣場所を特定しやすいのと同時に繁殖期で日がある時でも巣外に出るため、カメラを持った方々が巣穴前に集まります。エゾモモンガの写真が撮りたければ、カメラを持った人が集まっているところを目指せば良いそうです。(詳細情報求む!)

その目が大きく、可愛らし姿はとても人気で、多く写真集が発行されていたり、キャラクターとして取り上げられたりもしています。

参考文献・サイト:「飛べ!ムササビ 熊谷さとし著」・「ムササビ 空飛ぶ座布団 川道武男著」 ・Wikipedia